【農暦】晴れをも恨む

○つい先日のことであるがハウスを閉め切りにしていて育苗中の苗、定植して間もないトマト、鉢植えの鷺草など熱気で焼き枯らしたり、 再起出来るかどうか判らないほどのダメージ与えてしまった。朝、雨が降っており天気予報も晴れではなかったので、土温を上げ発育遅れを少しでも挽回しようと、閉め切りにして笠間を空けたからである。 日中晴れていたのも知らず夜には戻ったが水遣（や）りの心配などしてなかった。翌朝ハウスを見て愕然とした。水をたっぷり注いだが後の祭りである。腰の据わっていない農業を暴露してしまった。 車の中に子供を残しパチンコしていた親のニュースが思い出され深く落ち込んでしまった。戻った夜に水を遣（や）れば少しは被害が少なかったかもしれない。生き物を扱っている自覚の乏しい自分に嫌悪した。 最近良いことが少なく辛いアラカン人生の身には重苦しい出来事である。

○古い友人から関連子会社を退社する旨の挨拶状が届いた。その中に、“これからは「かきくけこ」運動を常に心掛け行動しようと考えている”とあった。 “「か」感動する。「き」興味を持つ「く」工夫をする「け」健康である「こ」恋心を抱く”と続く。誠実実直の人柄の彼がと少し驚いた。干からびず潤いのある人生を重ねる為には「かきくけこ」は大事な要素に思える。 瀬戸内寂聴も８０歳を過ぎてもトキメキがある話？をしていた。枯れた野菜も干からびた人生もあっても仕方がないと云ったら言い過ぎだろうが、、、。いいかげん（良い加減？）な性格の私である。常に心掛けるのは簡単ではない。 でも、日々新たな気持ちでアメニモマケズ、カゼニモマケズを自然態で行きたいものである。

○草払い機で刈ったそばから知らない間に青々となっている。雑草の繁茂力は変化がないように見える。だが、夏野菜の生育が今一つである。 よく考えれば雑草と云う草はなく。いろいろな草が生存を賭け競っている。その結果が雑草の繁茂力である。個々の種の盛衰は当然ながらある。野菜も一つの種である。盛衰はあって然りである。雑草の種も相当に変わって来ているのではと思う。 野辺を我がもの顔で席巻しているセイタカアワダチ草は少し昔にはなかった。“種の多様性”が言われて久しいが、むやみに邪魔者扱いせずに雑草の植生の変化にも関心を持ちたいものである。 草の名で気がつかされるが、先人の豊かな観察眼は学ばなければなない。科学の目や、野菜を観る利得の目も大事であるが、自然を見る目も大事にしたいものである。夏野菜の生育を心配しつつ草払い機を使いながらつまらないこと考えてしまった。 しっかり雑草を取れと云われそうである。

【楽農】農作業のあれこれ

＜ハウス＞苗はひと通り定植、補植用を残し、苗として直売所に出荷などする。
定植：ほおずき、トマト、かぼちゃ、キュウリ、ピーマン、落花生、ゴーヤなど多種。
・枯らしたものは適宜補植の予定。

＜畑＞キャベツ、ラデシュ、ホウレン草、水菜、小松菜など収穫

＜田圃＞畔の草とり４回など。田圃の草取りはこれから。

【楽市】イベント交流・直売など

特になし

【つぶやき】Tweet（ツイッター）は心の安定弁？

○今やツイッターは情報用語？である。ツイッターの和訳は「つぶやき」だがツイッターの意味合いが少し違って来ているようだ。 この欄は和訳の本来の意味で使いたい。つぶやきでしか“農業大事”を発信出来ないでいる。“ふれあい”の記事（下）も“農業大事”のつぶやきの様なものである。出来れば、この「つぶやき」の本欄が “北京の蝶々^＊”の羽ばたき”になれば嬉しい。なかなか伝わらない“農業大事”が少しでも伝わればと思う。

＊“北京で一羽の蝶々が羽ばたくと、ニューヨークでハリケーンが生じる”という意味で、気象学者のローレンツの複雑系理論のたとえ話がある（活き活きたよりＮｏ４７より）。

○古い友人の「かきくけこ」に触発され？短歌２首を詠んでみた。私の人生のレベルを少しは高くしたいものである。 “農”通して少しでも豊かにしたいものである。

＜短歌２首＞
アラカンの　トキメキに似る　ホーホケキョ
　 囀（さえず）り空し　深緑の里
年重ね　トキメキありき　術（すべ）は無し
　人生の知恵　無きが虚しい

＊小高い山々は新緑から深緑に、田圃の緑の絨毯は山裾に迫る。瑞穂の国の原風景は素晴らしい。
笠間へ、Ｋｏｇｕｒｅ農場へお越し下さい。

土楽たより６月号より転載　２０１０年６月１９日　記